社会心理学を応用してビジネスを有利に進める方法を紹介します

ビジネスを 有利に進める 社会心理学 社会心理学

人に頼み事をするといつも断られてしまう、人と交渉することが苦手で仕事でなかなか良い結果が出せない……とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ビジネスというと社内でも社外でも誰かにお願いをしたり、頼ったりする機会がとても多いですよね。
交渉なんて口がうまい人でないと無理だと思われがちですが、社会心理学の知識を取り入れれば思っている以上に簡単かつ効果的に交渉を進められるようになります。

本記事では、社会心理学を応用して交渉・ビジネスを有利に進める方法を紹介します。

小さな要求から提示して大きい要求を提示する

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

まず紹介するのが、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」です。
最初に簡単な要求を提示して、相手が応諾をしたら当初の目的である大きな要求をするというものです。
心理学用語では「段階的要請法」といいます。
いきなり大きなお願いをすると相手はリスクを考えるので渋りがちですが、小さなお願いでしたら応諾してもらえる可能性が高いです。
そして一度小さなお願いを応諾してしまうと、同じ相手からの大きなお願いも聞かなくては悪い・格好がつかないといった心理が働くようになります。
例えばAという高額で大きな商品と、Bという安価で小さな商品があってAの方をより売りたいと思っているとします。
そんな時に「Bは安価で買いやすいですし場所も取らないのでいかがですか」とまずはお願いします。
相手が快諾してくれたら、「せっかくですのでそのついでにAもいかがですか。弊社でもとりわけ力を入れて開発して、自信を持ってお届けできる商品なのです」などと持ちかけます。
すると相手は一度お願いを聞いたことがあるのだから、次のお願いを断るのはおかしいと無意識に思って大きなお願いにも応えてくれる可能性が高くなるのです。

大きな要求を提示した後でそれよりも規模の小さい要求をする

ドア・イン・ザ・フェイス

次に紹介するのが、「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」です。
最初に大きな要求を提示をして、相手が拒否したら次に一回り小さな要求を提示することで目的である後者の要求を飲ませてしまうというものです。
心理学用語では「譲歩的要請法」といいます。
相手からはこちらが譲歩したように見えるので、譲歩してくれたのだからお願いを聞かないと失礼にあたるのではないか・埋め合わせをしなければならないという心理が働きます。
そのため最初に提示された大きな要求よりも、その直後に提示された一段階下の要求を応諾してくれる可能性が高くなるというわけです。
例えばクラブの副会長をやってほしい人に、まずは「会長になってもらえませんか」とお願いします。
拒否されたところで、「それでは副会長をお願いしたいのですがご都合つきませんか? 会長のポジションよりはお手間は取らせませんので」などと本命のお願いをします。
相手からすると要求を断ったことで譲歩までしてくれたので、ここで更に断ることが気まずくなり応諾をしてしまうようになります。

応諾できる甘い条件の要求を提示してから厳しい要求を行う

ローボール・テクニック

次に紹介するのが「ローボール・テクニック」です。
まず相手が応諾できるような甘い条件の要求をして、快諾させた直後に厳しい条件を付け足していくというものです。
心理学用語では「承諾先取り要請法」といいます。
一度快諾してしまうとその発言を撤回するのが心理的に難しくなるので、追加された要求にも肯定しがちになります。
例えば、そこそこ値の張るオーダージュエリーの契約を取らなければならない状況になっていたとします。
まずは相手の予算内に合わせたサービスを提案し、ひとまずの商談を成功させるようにします。
その後で「実は納期を早めたり末永くアフターサービスが受けられるオプションプランがありまして、それらを合計致しますと……」といった具合にオプション込みの総額を提示します。
商品やサービスに惚れ込み買う気持ちが高まっている顧客は、オプションによって多少予算をオーバーしたとしても「それくらいならいいか」と財布の紐が緩んでしまうのです。
一度快諾したものを少し条件が変わった途端に断るという姿勢に恥ずかしさや居心地の悪さを感じるために、多少条件が厳しくなっても人は応諾し続けるのではないかと考えられています。
ただし条件を後出しする性質上、追加される条件があまりにも厳しすぎるものになると相手は不誠実な姿勢だと捉えかねないので、その点は注意が必要です。

商品同士の差異を利用して商品をより魅力的に見せる

コントラスト効果

次に紹介するのが、「コントラスト効果」を利用したテクニックです。
これは条件が大きく異なるものとの差異を利用することで、相手の判断を促進させるというものです。
希望する価格帯のものよりもワンランク上の商品の説明をひとしきりしてから、希望価格帯に沿った商品を提案すると多少予算をオーバーしても「さっきのものに比べると安い」と感じ購入に繋がりやすくなります。
これはお得感を演出できるため、コスパを気にしている方を相手にする時に特に効果的とされています。
反対に、ランク下の商品をいくつも先に見せてからその直後に予算オーバーの商品を「先程よりも少々値は張りますが性能は抜群です。例えば……」といったかたちで紹介することでその商品を更に魅力的に見せるというテクニックもあります。
こちらはお得感よりも機能性の高さや高級感を演出する効果があり、上質なものが好きな人や上昇志向な人の心に訴えかける時に効果的です。
どちらの方法でも比較する物同士の差異が大きければ大きいほど、相手に強い印象を刻み込むことができます。
なので交渉をする時には、本命の物をいきなり提案するよりもそれを引き立たせる別の条件の物を提案するといいでしょう。

売りたい商品や技術はとにかく目立たせる

熟知性の法則

最後に紹介するのが、「熟知性の法則」を利用したテクニックです。
熟知性の法則とは、元々思い入れのないものであっても繰り返し見たり聞いたりしたものに好ましい感情を覚えることです。
なので何か物を売りたいや技術・人物を売り込みたい時は、なるべく買い手の目につきやすいようにするといいですよ。

熟知性の法則の具体例

具体的な例としては、ダイレクトメールやチラシ、配布されたサンプル、CMなどですね。
「CMで知っているから安心感がある・親しみやすい」「DMが定期的に来るようにしているからこのお店は贔屓にしている」といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人は五感をおさえることで、相手により強い情報を植え付け忘れにくくすることができます。
そして知らず知らずのうちに親しみやすさが生じ、物を選ぶ時にいくつかの候補の中でもよく知っている商品を選びやすくなります。
こうして直感や経験に基づく無意識な判断で物事を決定する際には、心理学でいうところの「判断のヒューリスティック」が作用しています。
なので、売りたい商品や技術がある時は買い手がたくさん情報を受け取りやすいように、色々な手段で情報を発信するのがオススメです。

まとめ

以上、社会心理学を応用して交渉・ビジネスを有利に進める方法についての記事でした。
挙げたものは練習が必要なテクニックが多いですが、単刀直入に発言するよりも格段に交渉を有利に進められるようになりますよ。
交渉が苦手だという方は、交渉せざるを得ない場面に備えて日頃から「○○テクニックを使う場合、どうやって話を持ちかけようか」と考えるクセをつけておくといいかもしれませんね。

心理学セミナー
心理学を学ぶことで、対人関係や恋愛関係が潤滑になったり、スポーツやプレゼンなど緊張感が高まる場面でもベストなパフォーマンスがきるようになります。